Fessにフォルダから探せるファイル検索テーマを追加する

FessのStaticテーマに、共有フォルダやファイルサーバーの文書を探しやすくするfilesearchを追加しました。ファイル管理ツールに近い画面で、フォルダを絞り込み、更新日や種類で並べ替え、選んだ文書のプレビューを確認できます。Fess 15.9以降向けのテーマです。

フォルダ・一覧・プレビューの3つの領域

左側にはホストとフォルダのツリー、中央にはパンくずとファイル一覧、右側にはプレビューを配置します。フォルダを選ぶとその配下を対象に検索します。詳細、リスト、タイルの表示を切り替え、ファイル種類、更新日、サイズ、ラベルで絞り込めます。

検索条件とフォルダはURLへ保存するため、再読み込みや戻る・進む、リンクの共有でも状態を復元します。元のファイルはFessのgo/経由で開き、パスをコピーする操作も用意しています。

PDF、テキスト、画像、キャッシュした本文をプレビューできます。Office文書をブラウザでそのまま描画する機能ではなく、キャッシュされた内容を利用します。

テーマを導入する

fess-themesのソースから、次のコマンドでテーマのZIPを作成します。

./scripts/package.sh filesearch

Fess管理画面のテーマ画面でZIPをアップロードし、デフォルトテーマなどに設定します。theme.defaultはシステムプロパティです。管理画面の全般設定、system.properties、またはJVMの-Dfess.system.theme.default=filesearchを使います。

種類と場所によるソートを利用する場合は、fess_config.propertiesに以下を設定します。

query.additional.sort.fields=filetype,url

サムネイルのthumbnail.enabled=trueもシステムプロパティです。キャッシュによるプレビューを広げる場合は、crawler.document.cache.supported.mimetypesへ対象のMIMEタイプを追加し、再クロールでキャッシュを作成してください。

キーボードと小さい画面での操作

一覧は矢印キーで移動でき、Enterで元ファイルを開き、Spaceでプレビューを切り替えます。フォルダツリーもキーボードで開閉できます。小さい画面ではツリーやプレビューを引き出し式の表示にし、スマートフォン幅でヘルプやログインへアクセスするメニューも用意しました。

追加後の修正では、ページ変更で存在しないフォルダが増える問題、閉じたオプション欄へTab移動する問題、表示件数をサーバーが制限した場合のページングなども改善しています。お気に入りは追加操作に対応し、追加済みの星を「解除できる」表示にはしません。

大きなフォルダでの制限

フォルダツリーはホスト・URLのファセットから組み立てます。大量のファイルがある場合、件数は下限を示す≥表示になり、サブフォルダがすべて列挙されない場合があります。

「フォルダで表示」はテーマ内で親フォルダに移動する機能です。OSのファイル管理画面を直接開くものではありません。最近の検索はブラウザ内のlocalStorageへ保存し、Fessのログインユーザー別検索履歴とは別に扱います。

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Fessのゼロヒット検索を調べて関連クエリーを検索ログから生成する

Fessの検索ログに、ゼロヒットの原因を詳しく調べる機能と、利用者の検索語の言い換えから関連クエリーを生成する機能が追加されました。以前紹介した分析ダッシュボードに加え、検索改善を実施するための操作が増えています。

ゼロヒットのログへ移動する

概要・クエリータブに表示するゼロヒットの検索語から、該当するログ一覧を開けます。一覧のヒット数フィルターで「すべて」「ゼロヒットのみ」「1件以上」を切り替え、同じ条件でCSVを出力できます。ゼロヒットの表には最終検索日時も表示します。

利用者の分析にはロール・グループごとの検索数、ユーザー数、ゼロヒット率が加わりました。1回の検索をそのユーザーの複数のロール・グループへ計上するため、各行の合計は全体の検索数と一致しない場合があります。個人用の検索ロールは表から除外します。

検索ログから関連クエリーを生成する

管理画面の関連クエリーで「検索ログから生成」を実行します。同じセッションで短時間に行った検索の組み合わせを、検索語の言い換えとして集計します。例えば最初の検索語の後に、より具体的な語で検索してヒットした場合が候補になります。

主な初期値は次のとおりです。fess_config.propertiesで調整できます。

related_query.generate.days=30
related_query.generate.term.size=100
related_query.generate.query.size=5
related_query.generate.min.sessions=3
related_query.generate.session.interval=10

過去30日、仮想ホストごとに最大100語、1語につき最大5件の関連語が対象です。元の語と関連語の両方に3以上の異なるセッションが必要で、検索し直す間隔は10分以内です。検索ログとユーザー情報の記録が有効であることが前提になります。既存の登録語は変更せず、新規の語だけを作成します。

生成結果を確認して運用する

関連クエリーは公開され、検索語のOR展開にも利用します。生成時にはsuggest.search.log.permissionsに従ってゲスト公開できるログだけを対象とし、フィールド指定やワイルドカードなどの検索構文、NGワード、ヒットしない後続検索を除外します。作成後は通常の関連クエリーとして編集・削除できます。

全ログを無制限に解析する機能ではありません。1語あたりのログ取得は初期値で1000件、セッション200件、後続ログ2000件に制限し、語の長さは2〜50文字です。登録件数は関連クエリーキャッシュの上限にも従います。処理は同期実行で同時実行を拒否するため、大量のログがある場合は期間と件数を絞って実行してください。

ゼロヒット率が高いからといって、関連語の追加だけで解決するとは限りません。クロール対象や文書の閲覧権限、必要なコンテンツが存在するかも、ログを手がかりに確認するとよさそうです。

利用できるバージョン

Fess 15.9.0に含まれる予定の機能になります。現時点では、まだ、リリースしていないので、今後のテストで変更される可能性もあります。

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Fessのベクトル検索でチャンク生成の失敗と保留を見分ける

Fessのベクトル検索では、クロールした本文をチャンクへ分割し、埋め込みモデルでベクトルを作成します。ジョブが終了しても、すべての文書が検索に使える状態になったとは限りません。開発版では、チャンク生成結果の集計と埋め込みサービスの一時停止からの復旧を改善しました。

ジョブの成功件数を確認する

Content Chunk Vector Indexerの結果はfess-chunk.logのChunk vector processing result:で確認できます。従来は、文書へfailやskippedを書き込めた場合もSucceededに数えていました。修正後はベクトル生成に成功した件数だけを成功とし、失敗、スキップ、保留を分けて表示します。

Processed 11 documents. Succeeded: 7, Failed/Skipped: 4. Failed: 1, skipped: 3, left pending: 0.

これはPRで確認された集計例です。Failed/Skippedは成功していない件数の合計で、保留も含みます。left pendingは未処理の文書全体ではなく、この実行で処理を試みて完了状態を保存できずに残した件数です。

content_chunk_statusがdoneなら完了、failなら原因調査が必要な失敗、skippedなら対象本文やチャンク生成条件による除外です。空本文、生成チャンクなし、チャンク数上限超過、存在しないチャンク処理名などでもskippedになります。ジョブ結果だけでなく文書の状態分布も併せて確認します。

一時的なモデル停止と文書固有の失敗を分ける

OpenSearchの再起動直後は、モデル情報がDEPLOYEDでも実際のノードではまだモデルを読み込んでいない場合があります。従来、この間に処理した文書がfailとなり、通常の再実行では選ばれなくなることがありました。

修正後のOpenSearch埋め込みクライアントは、応答がない接続などを再試行し尽くした場合や、推論リクエストが拒否され、モデルのプロファイルでどのノードにもデプロイされていないと確認できた場合に、文書を保留へ残します。モデルが利用可能になった後、次のジョブ実行で再処理します。同じ実行中に自動で完了する保証ではありません。

モデルのプロファイルAPIには推論と同じ認証情報を使います。403などで読めない場合は、モデル未ロードと判断できず、従来どおり失敗になる場合があります。他の埋め込みプラグインへOpenSearch固有の判定が自動で広がるわけでもありません。

モデルが正常に動作しているのに本文を拒否した場合、応答を解析できない場合、ベクトルの件数や次元が一致しない場合は、引き続きfailです。まず原因を修正してから、次のシステムプロパティを一時的に設定してジョブを実行します。

content_chunker.job.retry_failed=true

初期値はfalseです。復旧のための1回の実行後は元へ戻します。skippedはこの設定では再選択されないので、原因を修正したうえで対象文書の状態を解除して再処理する必要があります。

モデルとインデックスの次元をそろえる

content_chunker.embedding.dimensionを未設定でインデックスを作成すると、マッピングは警告なしに768次元になります。一方、実行時の次元設定は未設定を同じようには補いません。モデルの次元を作成前から明示しておく必要があります。

次元を変えるには対応するインデックスの再作成が必要です。同じ次元の別モデルに変更した場合も、以前の文書ベクトルと新しい検索ベクトルは異なる空間になるため、次元チェックに通ることだけで互換性を判断せず、全文書のベクトルを作り直します。チャンクサイズは文字数ですが、モデルの入力上限はトークン数で、Fessがモデル上限へ自動切り詰めするわけではありません。

検索側の待ち時間と制限も確認する

埋め込みHTTP接続の上限は、CPU数から計算する標準の順位統合スレッド数に可用性チェック用の1接続を加え、最低5接続とするようになりました。16コアでは26接続です。少数の停止したリクエストが接続を占有する状況を緩和しますが、実行スレッドがすべて応答待ちになる問題は残ります。rank.fusion.threadsを独自に変更しても、この接続上限は追従しません。

Fess側での順位統合に使うrank.fusion.timeoutの初期値は10000ミリ秒です。初期値falseのrank.fusion.engine.enabledをtrueにして検索エンジン側で統合する場合、このタイムアウトは適用されません。OpenSearch埋め込みの応答タイムアウトは初期値60000ミリ秒、retry.maxは初回を含めて3回なので、応答待ちに再試行間の待機時間も加わる点に注意します。

検索エンジン側の統合が拒否されてFess側へ切り替わる場合、同じリクエスト内で検索語が同じなら作成済みの検索ベクトルを再利用する修正も入りました。別リクエスト間で共有するキャッシュではなく、再試行で検索語が変われば再計算します。

また、faissとcosinesimilを使う場合のcontent_chunker.search.min_scoreの換算を修正しました。たとえばコサイン類似度の下限を0.35と設定すると、OpenSearchへ送る下限スコアは0.675です。0.35は調整例で、innerproductやl2ではこのコサイン類似度の下限を適用せず警告します。

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